九州では、陽光が燦々と降り注ぐ暑い夏が終わり、木々の葉が黄や赤に色づきはじめるのは10月下旬あたりから。この季節の移ろいを愛でるには、情緒豊かな城下町がいいと思い立ち、以前より気になっていた宮崎の「飫肥」を旅先に選びました。
福岡市とは、九州の対極に位置する宮崎県南部の飫肥までは、車や列車を使って行くことができます。車の場合は高速道路を使って4時間程、列車で行くなら6時間程の旅です。
<アクセス>
・博多駅〜鹿児島中央駅:新幹線
・鹿児島中央駅〜宮崎駅:列車
・宮崎駅〜JR日南線「飫肥」駅:列車
列車で行くなら、博多から鹿児島まで新幹線で約1時間半。そこから、列車に乗り換えて飫肥まで向かいます。曜日のタイミングが良ければ、観光列車「36ぷらす3」の金曜日ルートは鹿児島中央駅から宮崎駅までですので、観光列車での移動も楽しむことができます。
▷観光列車「36ぷらす3」の旅 - 鹿児島〜宮崎
日南線でのんびり移動し、飫肥駅に到着
駅から、飫肥の見所が詰まった城下町までは歩くこともできますが、駅前にある日南屋でレンタルサイクル(電動アシスト付き¥500/1日)を借りるのもおすすめです。飫肥駅にはコインロッカーがないのですが、日南屋は有料で預かってくれます(1個¥400)。
城下町を歩き、丘の頂上に当たる部分に飫肥城はあります。この大手門をくぐると飫肥杉に囲まれた静かな別世界が広がります。
お宿は、飫肥石の石垣と階段を上がったところにある格調高い武家屋敷。飫肥城の上級家臣だった伊東伝左衛門(いとうでんざえもん)が暮らした市指定文化財の屋敷を改修し、地域の歴史と文化を体感する上質な宿泊施設として2022年4月にオープンしました。
茜さす飫肥
https://www.akane-sasu.com/obi/
宮崎県日南市飫肥4-4-1
19世紀中頃(江戸時代後期)に建てられたといわれ、飫肥城下では最も古い武家住宅です。見どころに溢れたこの武家住宅は、一棟貸し切りで利用できます。
名産の飫肥杉が随所に使われ、室内はシンプルで美しいです。
屋敷を囲むL字形の庭園は、国の登録記念物に登録されている枯山水(水を用いずに石や白砂で山水を表現した日本庭園)。暗くなったら照明をつけて鑑賞できます。
朝は城下町を散策
飫肥は美しい城下町ですが、それだけでなく、また訪れたくなる町として知られる理由の一つとして「子どもたち」がよく挙げられます。すれ違うたびに、誰もが見ず知らずの旅人に挨拶してくれます。散歩の時間が、飫肥城に隣接する小中学校に通う子どもたちの登下校時間に重なったらラッキーですよ!
飫肥城に最も近い道が、上級武士が住んだ横馬場通り。お宿「茜さす飫肥」でもある旧伊東伝左衛門家など、立派な武家屋敷が石垣と共に建ち並び、飫肥城下の中でもとくに拡張高い雰囲気が漂っています。
しっとりとした静かな町を象徴するかのような場所が、宿から徒歩3分程度の場所にあります。
田ノ上八幡神社
宮崎県日南市飫肥10-3-12
楠の巨木。樹齢400年以上といわれる市の天然記念物。飫肥杉に囲まれる神社の階段を上がったところに、清々しい香と圧倒的な雰囲気を感じるはずです。
また、飫肥は日本を代表する明治の外交官「小村寿太郎」の出生地としても有名です。町の随所に、生家や学んだ学校「振徳堂」、記念館などが整備されています。
1977年に、九州で初めて、日本で2番目に国の重要伝統的建造物群保存地区の選定を受けた飫肥。今も、町の人がまち並みを大切にしながら暮らしています。川から生活用水を引き込むために作られた掘割も残っていて、後町通りの掘割には錦鯉が放流され、穏やかな町並みを彩ます。
本町通りと呼ばれる国道222号沿いには、多くの店舗が立ち並びます。飫肥の郷土料理「厚焼き玉子」や、魚のすり身と豆腐を混ぜて揚げた「おび天」などを製造販売する老舗もあります。
まちを効果的に巡るなら、5枚の商品引換券がついた飫肥観光「あゆみちゃんマップ」がおすすめです。飫肥駅前の日南屋で購入(¥800)することができます。街中の33の店舗を巡りながら美味しいものや土産物と交換でき、入場料が必要な施設の割引もついています。
もし、行き帰りが土日だったら...
飫肥杉を貼り付けた前代未聞の観光列車「海幸山幸」がおすすめです。土日祝日だけ日南線を走る、一日2本、2両編成の列車は、大きな窓から日南の青い海と、飫肥の森を見ることができます。飫肥杉を使った車内では、ドリンクとスナックの販売があります。日南ビールやチーズ饅頭片手に、ゆっくりとした時間が流れる日南線の旅を堪能しよう!
海幸山幸(土日祝日、一日2本、2両編成)
https://www.jrkyushu.co.jp/trains/umisachiyamasachi/
ふりそそぐ南国の太陽を感じながら歴史と自然あふれる旅へ。
ゆったり開放的な空間。地元名産の飫肥杉をふんだんに使って作られたシートやインテリアは、温もりと安らぎを感じさせてくれる。南国情緒豊かな日南の青い海と飫肥の森を愉しみながら走るリゾート列車。
静かで水にも恵まれ、静かな飫肥。三方を囲む酒谷川を天然の堀に見立て、地形の特徴を活かした地割りがなされました。小高い場所にある飫肥城に近い所から、上級家臣、中級家臣、町人...とエリアごとに住まいが配置されています。飫肥の城下町は、泊まりがけで訪れると、1日の移ろいを楽しむことができます。
Kyushu Live!!『スロートラベルで飫肥に行こう』
温暖な島・九州各地をゆっくり巡り、豊かな農産物や肉や魚を味わい、人々と交流し、時間の流れを地域の人に合わせてみる。そんな旅を求めて、宮崎県日南市飫肥を訪れました。
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